医療法人社団 キャリソル会 キャリソル歯科
アクセス東京都/豊島区/南池袋 7-8-9 キャリビル4F
企業情報
クチコミ
インタビュー
院長「来矢 庄」様インタビュー
企業インタビュー
公開:2025.04.15
更新:2025.04.15

1998年10月にご開業されたキャリソル歯科。
歯医者への恐怖や嫌悪をなくし、「気軽に通える街の歯医者さん」であるための診療スタイルや
開設にあたっての心意気、今後目指していく展開等お伺いしました。
略歴
医療法人社団キャリソル会キャリソル歯科 院長 歯科医師 来矢 庄(クルヤ ショウ)様
埼玉県出身。1991年に埼玉科学歯科大学歯学部卒業。
同大学病院歯科口腔外科学教室に入局。医局長、講師、非常勤講師を歴任し、1998年まで7年間勤務。
「日本口腔外科学会認定医」として勤務を続ける中、「さいたま市乳幼児健康診査事業嘱託歯科医」「日本糖尿病協会歯科医師登録医」「埼玉県障害者歯科診療担当医」「埼玉県摂食・嚥下障害歯科医療相談医」等様々な資格を取得。
身近な歯医者さんでありたいと1998年10月に豊島区に「キャリソル歯科」を開設。
開業したきっかけを教えてください
大学病院での勤務は、私の歯科医師としての基盤をつくる大切な時間でした。
専門的な治療や、難症例に対する知識・技術を日々学び、尊敬できる先輩方や優秀なスタッフと共に働けることにやりがいを感じていました。
しかし、ある患者さんとの出会いが、私の中で何かを変えました。
その方は、遠方から紹介で大学病院に来られた高齢の女性でした。
治療自体はうまくいったのですが、通院にかなりの負担がかかっていることが後からわかりました。
ご家族も高齢で、付き添いも難しく、来院されるたびに「大変だったのよ」と笑いながら話してくれました。
私はその笑顔の裏にある“通いやすい場所で、安心して治療を受けたい”という思いを、もっと汲み取るべきだったと感じました。
大学病院のような高度な医療が必要な場面ももちろんありますが、
それと同じくらい、「患者さんの生活に寄り添うこと」も大事な医療の一部なのではないかと気づかされたんです。
その経験をきっかけに、自分自身が地域に根ざした歯科医院をつくりたいと思うようになりました。
患者さんの顔が見える場所で、日々のちょっとした変化に気づけるような距離感で診療がしたい。
治療だけでなく、予防や生活習慣の改善など、人生に寄り添う歯科医療を目指したい。
そういった思いが少しずつ明確になっていきました。
開業は決して簡単な決断ではありませんでしたが、
「一人ひとりの患者さんと向き合いながら、その人の健康に長く関われる場所を作る」
という初心を大切に、今も診療を続けています。
大切にしている経営方針は何ですか
私が経営の中で最も大切にしているのは、「患者さんとの信頼関係を第一にすること」です。
歯医者という場所は、どうしても「痛い」「怖い」といったマイナスのイメージを持たれがちです。
だからこそ、来院された方が少しでも安心して通えるように、スタッフ全員で“丁寧な説明”と“あたたかい対応”を徹底することを心がけています。
たとえば、初診の方にはお口の中の状態を写真や模型を使ってわかりやすく説明し、「なぜその治療が必要なのか」をしっかり納得していただいてから進めるようにしています。
「とりあえず治す」ではなく、「患者さん自身が自分のお口の健康に向き合えるようにすること」が、最終的には一番の治療につながると考えているからです。
また、経営者としてスタッフのチームワークも非常に重要だと考えています。
一人ひとりがやりがいを持って働ける環境づくり、そして互いに協力し合える職場の雰囲気を大切にしています。
スタッフが明るく気持ちよく働いていれば、その空気は自然と患者さんにも伝わると思います。
経営というと数字や効率も求められますが、私はそれ以上に「目の前の患者さんにとって、この医院が“また来たい”と思える場所であること」が何よりの評価だと思っています。
目先の利益ではなく、地域に根ざして長く信頼される医院を目指して、これからも地道に歩むことが大事ですね。
現在力をいれている治療はありますか
現在、当院では予防歯科と噛み合わせを重視した総合的な診療に特に力を入れています。
予防歯科に関しては、「痛くなってから通う歯科」ではなく、「健康を維持するために通う歯科医院」でありたいという思いから、定期的なメインテナンスの重要性をしっかりお伝えしています。歯科衛生士による丁寧なクリーニングだけでなく、患者さん一人ひとりに合わせたセルフケア指導も行っています。
虫歯や歯周病を“治す”だけでなく、“ならないように守る”ことが、長期的に見て最も大きな価値だと考えています。
もう一つ力を入れているのが噛み合わせの調整です。
実は、虫歯や歯周病といったトラブルの原因の一部には、噛み合わせのズレや日常の癖が大きく関わっているケースも少なくありません。
痛みが出ている部分だけに注目するのではなく、お口全体のバランスを見て、原因を根本から解決することを大切にしています。
さらに、近年は小児から高齢の方まで幅広い世代に対応できるよう、矯正歯科やインプラント治療にも力を入れています。
ただし、どんな治療であっても“無理にすすめる”のではなく、患者さんのライフスタイルやご希望を丁寧に伺った上で、一緒に治療方針を決めていく姿勢を大切にしています。
副院長は息子さんなんですね
はい、現在は息子が副院長として診療に加わってくれています。
私としてはとても心強く感じていますし、患者さんにも少しずつ信頼していただけるようになってきたのではないかと思います。
実は、息子が歯科医師を志したときから「いつか一緒に診療ができたら」とは思っていましたが、いざ実現してみると、自分とはまた違った視点や新しい技術を持ち込んでくれるので、日々学びが多いですね。
特にデジタル機器を使った診断や、より審美性に配慮した治療など、若い世代ならではの発想には感心させられています。
もちろん、親子ですから時に意見がぶつかることもありますが(笑)それも医院をより良くしていくための前向きな議論だと思っています。
お互いに遠慮せず意見を出し合える関係というのは、実はとてもありがたいことだと感じています。
また、事業承継の観点からも、次世代の経営者を内部から育てていくことには大きな意味があると考えています。
今は単に技術を引き継ぐというよりも、「組織としてどう成長していくか」「どんな医院を次の世代に残していくか」という中長期的なビジョンを共有することが重要です。
その点で、息子とは定期的にミーティングを重ねながら、医院の方向性や課題について率直に話し合っています。
今後は、副院長の力も借りながら、チーム医療の強化や働きやすい職場づくり、さらに地域の多様なニーズに応えるためのサービス展開にも取り組んでいきたいと考えています。
親子という関係性だけでなく、パートナーとして共に医院をより良くしていけるよう努力しているところです。
今後の展望を教えてください
歯科医療の役割は、これまでの「悪くなったところを治す」時代から、「悪くならないように守る」時代へと大きく変化してきています。
私自身、これまでの臨床経験を通じて強く感じているのは、患者さんの人生に長く寄り添い、その人の生活の質を支える存在でありたいという思いです。
当院としては今後、予防歯科のさらなる充実に力を入れていきます。
ただクリーニングをするだけではなく、患者さん自身がご自分の口腔状態をきちんと理解し、日々の生活の中で意識してケアができるようになることが理想です。
そのために、衛生士によるセルフケア指導や、ライフスタイルに合わせた個別プランの提案を強化していきたいと考えています。
また、高齢化社会が進む中で、訪問歯科診療の体制強化も重要なテーマです。
通院が難しい方にも適切な口腔ケアを届けられるよう、地域の医療機関や介護施設との連携をさらに深め、チーム医療の一員としての役割をしっかり果たしていきたいと思います。
さらに、院内の診療体制についても進化させていくつもりです。
息子が副院長として加わったことで、デジタル機器や審美・矯正など、若い世代の視点と技術が組み込まれるようになりました。
私の経験と、彼の新しいアプローチを融合させることで、より幅広い世代・ニーズに対応できる体制が整いつつあります。
今後は、患者さんが「ここに来れば家族全員が安心して任せられる」と思っていただけるような、総合的な口腔医療の拠点を目指していきたいと考えています。
また、経営面においても大切にしているのは、「人を大事にする」ということです。
患者さんだけでなく、共に働くスタッフの存在が医院の質を決めるといっても過言ではありません。
働く環境を整え、意見を出しやすい風通しの良い職場をつくることが、スタッフのモチベーションやチーム力、そして最終的には患者さんへのサービス向上につながります。
今後は、教育やキャリア形成の支援など、スタッフが長く安心して働ける仕組みづくりにも取り組んでいきたいと考えています。
医院というのは建物や設備ではなく、「人と人との関係」で成り立っている場所だと思っています。
だからこそ、医療技術の向上だけでなく、信頼・安心・思いやりといった“人としてのつながり”を大切にしながら、地域の皆さんの人生に寄り添う医院であり続けたい。
それが私たちの目指す未来であり、今後の展望です。