医療法人キャリソル会
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院長「木山 総」様インタビュー
企業インタビュー
公開:2025.04.15
更新:2025.04.15

1951年から続く「医療法人キャリソル会キャリソル総合病院」。
開業以来、地域住民の健康を守ると同時に、地域医療の発展への貢献を続けている。
三代目院長の木山総先生は、祖父の代、父の代と続いた歴史を踏襲しながら、これまで以上に患者主体の診療を行い、生まれてからこの世を去るまでをともに考え、ともに生きるための総合診療を行う病院をめざしている。院長就任直後の若きエース木山総院長に、病院のコンセプトや地域との連携、さまざまな取り組みについてなどインタビューいたしました。
目次
1、病院のコンセプトを教えてください2、院内の雰囲気や、特徴的な取り組みについて教えてください3、院長に就任された際のお気持ちを教えてください。4、キャリソル総合病院の強みは何ですか5、今後の展望を教えてください。略歴
医療法人キャリソル会キャリソル総合病院 三代目院長「木山 総」先生
2012年神奈川医科大学卒業。神奈川医科大学心臓血圧研究所循環器外科入局。
胸部外科助手として勤務。
循環器科、肺外科医として、心臓外科、ペースメーカーおよび肺癌等の手術を担当。
「日本不整脈心電学会(正会員)」「日本胸部外科学会(正会員・認定医)」資格取得。
2019年からキャリソル総合病院循環器科医師として勤務し、2024年に院長就任。
病院のコンセプトを教えてください
当院は1951年に祖父がこの地で開業して以来、父、そして私へと三代にわたって継承されてきました。70年以上にわたって地域の皆さまに支えられてきたことへの感謝を忘れずに、これからの時代にふさわしい医療のあり方を模索しながら、日々運営にあたっています。
私たちの病院のコンセプトは、**「人を診る医療」「暮らしに寄り添う医療」**です。病気だけを見るのではなく、その方の人生や背景、生活環境を含めて“人として診る”という姿勢を大切にしています。これは祖父の時代から脈々と受け継がれている価値観でもあります。
また、「総合病院」であることの強みを活かして、複数の診療科や医療スタッフが連携しながら、一人の患者さんをチームで支える医療にも力を入れています。高齢化が進み、病気も複雑化していく中で、“ワンストップで安心できる医療”を提供できることは、地域に根ざす病院としての大きな使命だと考えています。
私自身が院長に就任してからは、従来の信頼ある医療体制を守りつつ、ICTの導入や在宅医療の充実など、より柔軟で、患者さんの暮らしにフィットする形の医療サービスの提供を目指して改革を進めています。
地域には、生まれたばかりの赤ちゃんから高齢者まで、さまざまな方が暮らしています。そのすべての人にとって「困ったときはあの病院へ行こう」と思ってもらえること。それが、今も昔も変わらない当院の原点であり、これからも守り続けていきたいコンセプトです。
院内の雰囲気や、特徴的な取り組みについて教えてください
当院は70年以上続く地域密着型の総合病院ということもあり、温かく落ち着いた雰囲気を大切にしています。来院された患者さんが少しでも安心して過ごせるように、受付・待合スペースには自然光が差し込む設計を取り入れたり、案内表示をわかりやすくするなど、細かな配慮を積み重ねています。
また、スタッフ一人ひとりの人柄の良さや、患者さんに対する真摯な対応も、当院の大きな強みだと感じています。医師・看護師・リハビリスタッフ・事務職など職種を超えたチームワークがしっかりしており、「顔が見える関係性」「声をかけ合える職場」が院内全体に根付いています。
特徴的な取り組みとしては、近年は地域とのつながりを意識した医療の提供に力を入れています。たとえば、地域包括支援センターとの連携による在宅支援、地元の学校や自治体と協力した健康教育イベント、さらには小さなお子さんが病院に慣れるための「キッズドクター体験会」なども実施しています。医療と暮らしの距離を縮めることが、より良い地域医療の第一歩だと考えています。
また、院内ではICTの活用も積極的に進めており、電子カルテやオンライン会議を導入して、診療の質の向上やスタッフ間の情報共有をスムーズに行える環境を整えています。これは、次世代へバトンを渡していくうえでも非常に重要なステップだと捉えています。
患者さんにとってはもちろん、ここで働くスタッフにとっても「帰ってこられる場所」であるように。そんな空気感を大切にしながら、今後も“地域に開かれた病院”としての役割を果たしていきたいと考えています。
院長に就任された際のお気持ちを教えてください。
院長就任が正式に決まったときは、正直なところ、身の引き締まる思いと同時に、大きなプレッシャーも感じました。というのも、当院は1951年に祖父が開業し、父が受け継ぎ、そして私が三代目としてバトンを引き継ぐことになった病院です。地域の皆さまから長年にわたって信頼をいただいてきた歴史の重みを、あらためて実感しました。
幼いころから病院の中で過ごすことが多かった私は、白衣を着た祖父や父の姿を見て育ちました。その姿は私にとって“身近だけれど尊敬すべき存在”であり、医師という職業への憧れの原点でもありました。そして今、自分がその場所に立っていることに、ある種の感慨と責任感を強く抱いています。
就任当初は、これまで守られてきたものをどう受け継ぎ、どう進化させていくか、そのバランスに悩むこともありました。しかし同時に、これからの時代に必要とされる病院の姿を描き、実現していくチャンスでもあると前向きに捉えるようになりました。
特に感じているのは、「医療は人が支えるもの」であり、人を大切にする姿勢こそが、三代続いてきたこの病院の本質なのだということです。その本質を守りながら、時代に即した新しい医療の形、例えばICTの活用、在宅医療の充実、多職種連携の強化ですとか。
そういったものにも積極的に取り組み、地域に根ざしながら成長していく病院をつくっていきたいと考えています。
今は、病院の歴史を背負うというよりは、その歴史を次の未来へつなげていく“橋渡し役”としての使命を感じています。祖父や父が築いてきたものを土台に、今のチームと共に一歩一歩前に進んでいく。それが私にできる最大の恩返しであり、地域への責任だと思っています。
キャリソル総合病院の強みは何ですか
1951年の開業以来、私たちはこの地域の皆さまと共に歩んできました。お子さんから高齢の方まで、何かあったらまず「ここに来よう」と思っていただける安心感。これは三代にわたる積み重ねの結果であり、当院の大きな財産です。
そのうえで、医療の専門性にも妥協はありません。とくに循環器内科では、高血圧、不整脈、狭心症、心不全といった心臓疾患に対して、エコーや心電図、ホルター心電図、負荷試験などの検査を駆使しながら、早期発見・早期治療を徹底しています。高齢化が進む中で、心疾患の管理は地域医療において非常に重要なテーマの一つであり、かかりつけ医としての役割と、専門的な医療機関としての役割を両立しています。
また、外科においては、腹腔鏡手術をはじめとする低侵襲手術にも対応しており、患者さんの身体的・精神的な負担を減らす取り組みを強化しています。胆のう摘出や虫垂炎、ヘルニア手術といった一般外科の症例に加えて、高齢の患者さんに対するリスク管理や術後のフォロー体制も充実しています。手術の前後には内科・麻酔科・リハビリ科とも連携し、総合的な視点で安全な治療を提供するチーム医療体制が整っているのも強みの一つです。
加えて、循環器疾患と外科疾患はしばしば併発するため、複数の診療科が院内でシームレスに連携できることは総合病院ならではの強みです。例えば、高齢の患者さんが心臓に不安を抱えながら手術を受ける場合でも、循環器内科が術前・術後の管理に加わることで、安心・安全な医療の提供が可能になります。
患者さんにとっては「何科に行けばいいかわからない」「複数の病気を一度に相談したい」といったケースも多いですが、当院では**“総合的に診る力”と“専門的に深く診る力”を両立している**ところが大きな魅力だと自負しています。
これからも、病院としての歴史や信頼を大切にしながら、時代の変化や地域のニーズに即した医療を追求していきたいと思います。
今後の展望を教えてください。
私が三代目としてこの病院の院長に就任して以来、日々意識しているのは、「変わらずに守るべきもの」と「時代に合わせて変えていくべきもの」の見極めです。祖父が1951年にこの病院を開業し、父がその想いを受け継いで地域医療に尽力してきたことは、地域の皆さんの信頼という形で確かに根付いています。その信頼を守りながら、今の時代にふさわしい医療をどう提供していくか。それが私の一番の課題であり、使命だと感じています。
私は比較的若い世代の院長として、これまでの枠にとらわれない発想や、デジタル技術の導入、多職種間の協働強化など、新たな取り組みにも積極的に挑戦していきたいと考えています。特にこれから注力していきたいのが、当院の中心診療科である循環器内科と外科のさらなる専門性の強化です。
循環器疾患は高齢化と密接に関係する疾患であり、予防から治療、慢性期の管理まで一貫して地域で対応していく体制が求められています。当院では、心エコーやホルター心電図、負荷試験といった検査体制のさらなる充実を図るとともに、予防医療にも積極的に踏み込みたいと考えています。たとえば、日々の健康データを共有できるアプリや、心疾患リスクを可視化する簡易ツールなど、患者さんの生活に近い形で「未病を防ぐ」取り組みを進めたいと思っています。
また、外科領域では、今後も低侵襲手術を中心とした身体への負担が少ない治療の拡充を目指しつつ、術後の生活までを見据えた医療を強化していきます。手術の成功だけでなく、「手術を終えた後の人生をどう支えるか」という視点を常に持ち、リハビリテーションや在宅医療との連携を強めていきたいと考えています。外科・内科・リハビリの各部門が密に連携し、患者さん一人ひとりの回復に合わせて柔軟に支援できる体制づくりが、これからの時代の医療には不可欠です。
さらに、私は「人材こそが病院の質を決める」と強く感じています。医師や看護師、技師、事務スタッフなどすべての職員が、やりがいと誇りを持って働ける環境を整えることは、医療の質の向上と直結します。若い世代がこの病院で学び、挑戦し、長く働きたいと思えるような職場にするために、教育体制やキャリア支援、働き方の柔軟性などにも今後さらに力を入れていきます。
その一方で、医療と地域社会のつながりも見直さなければなりません。これからは「病院の外」にも目を向け、地域包括ケアシステムや行政・介護・福祉との連携をより密にし、地域全体で健康を支える体制の一翼を担っていく必要があります。住民の皆さまが“困ったらここに相談すればいい”と思ってくださるような存在であり続けるために、医療者と地域との距離をもっと縮めていく活動も行っていきたいと考えています。
私は、若い院長だからこそ、過去のしがらみにとらわれず、柔軟に未来を描けるという強みがあると信じています。一方で、医療は人の命を扱う仕事ですから、どれだけ時代が進んでも「患者さんに真摯に向き合う姿勢」だけは絶対に変えてはならないとも思っています。先代たちが築いてくれたものに感謝しながら、これからの医療に必要とされる「新しいかたち」を、この病院から発信していけたらと願っています。